キャラクターのネーミングのありがちなパターン

東京五輪エンブレム問題は未だに幕を引きませんが、エンブレムだけでなく、世間に無数に存在するキャラクターも同様の注意が必要です。不用意にキャラクターの図形やキャラクターの名前を採用した場合には、法律的に問題となってしまう可能性があります。

例えば、キャラクターの図形の場合、他人のキャラクター図形と似ていれば著作権法上問題となり得ます。ただし、著作権の場合は、仮に似ていても『依拠』(マネ)していなければ著作権法上問題とはなりません。

難しいのはキャラクターの商標法上の問題です。

まず、キャラクターの名前はカブリやすいということです。一般的にキャラクターの名前は親しみやすく覚えやすいものが好まれます。そのため、多くのキャラクターの名前は3~5文字で構成されています。

また、キャラクターのネーミングには典型的なパターンが存在します。例えば『○○ピー』『△△リン』『□□ぴょん』など。さらに『○○』『△△』『□□』の部分には、地名や農林水産物の名称の最初の2文字で構成されることが多いです(千葉県なら「チバ」、トマトなら「トマ」、いわしなら「イワ」等)。

その結果、例えば、『チバピー』『トマリン』『イワピョン』等のキャラクターの名前ができ上がり、かなり他でも使われていそうなものとなります。同じようなキャラクターの名前を複数の者が使用していて、そのうちの誰かがその名前を商標登録すれば、その他の者は商標権を侵害してしまう可能性があります。

商標権を侵害すれば、商標権者から差し止めや損害賠償を請求されることもあり得ますので、キャラクターに名前をつける際には、必ず一度専門家にご相談されることを推奨します。

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